2015 年 8 巻 p. 73-81
本研究は,状態承認欲求が調整要因として働くのか,または媒介要因として働くのかについての知見を得ることを目的とした。予備調査で場面と行動を抽出したうえで,本調査では状態承認欲求が特性承認欲求と行動の調整要因であるのか媒介要因であるのか,それぞれについて分析をおこなった。調整要因としての検討の結果,すべての場面において状態承認欲求が行動と関連してはいるが,それが特性承認欲求の調整要因としては働いていないことが示された。また,媒介要因としての検討の結果,一部の場面を除き,状態承認欲求が媒介要因として働いていることが示された。さらに,すべての場面において,状態の賞賛獲得欲求もしくは拒否回避欲求との関連の強さは,特性のそれよりも強いことが示された。以上の結果により,行動予測への状態承認欲求の有用性が示されたといえる。