季刊地理学
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研究ノート
採用者の行動からみたさいたま市における充電インフラの普及パターン
本多 広樹
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2024 年 76 巻 1 号 p. 20-35

詳細
要旨

本稿は,さいたま市を事例として充電インフラの採用者に着目し,その立地や行動の分析を通して充電インフラ普及パターンの時空間構造とその要因を明らかにすることを目的とした。そして,マップやビジョンといった時空間情報の分析と,各採用者の意思決定や行動の分析とを組み合わせ,充電インフラ普及の特徴について考察した。全国的に充電インフラが大きく普及した2010年代において,さいたま市ではその最初期から充電インフラが市内の全区に立地していた。その後も市内の充電インフラは毎年増加した。採用者の行動を時期区分して分析すると,新規採用を行う業種が時期ごとに異なるという特徴が明らかになった。この過程では,当初採用した充電インフラについて,後に更新・追加を行った採用者も存在した。そして採用者への聞取りを踏まえ,同じグループに属すると名称を基に判断した施設に着目すると,グループ施設にて一斉に充電インフラを採用するという行動を複数のグループが取ったと考えられる。この行動により,各時期で採用者の業種構成に違いが生じたと言える。また,結果として市内のさまざまな区に同時に充電インフラが普及した。

Abstract

 This study aimed to describe the spatiotemporal structure and diffusion pattern of electric vehicle (EV) charging infrastructure and its factors, with a focus on adopters of EV charging infrastructure in Saitama city. The author analyzed 149 point data of EV charging infrastructure and each adopter’s behavior using seven years of maps made by Saitama city and “Charging infrastructure development vision” of Saitama Prefecture. Characteristics of EV charging infrastructure diffusion were considered.

 All wards of Saitama city had EV charging infrastructures by the early 2010s, when EV charging infrastructure had been diffused in Japan. After that, the number of EV charging infrastructures increased annually. Adopter’s action were divided into three phases, in which different types of actors adopted EV charging infrastructures in each phase. Some adopters renewed or added their EV charging infrastructures. Data of EV charging infrastructure was recounted based on an interview survey of some adopters. Some adopters adopted EV charging infrastructures into their group stores in same year, which caused the differences in each phase. Furthermore, this action diffused EV charging infrastructures into multiple wards in same year.

I. はじめに

1. 問題の所在と研究目的

低炭素社会を目指すための一方策として次世代自動車が注目される中,EV(Electric Vehicle,電気自動車)の普及がさまざまな地域で進んでいる。各地域のEV普及政策に着目した須永・村木(2012)本多(2017)Palomino and Parvania (2019)は,政策の初期段階にてEVに電力を供給する充電インフラ1)の整備が為されたこと,その際には行政が計画策定や公共施設への整備といった場面で重要な役割を果たしたことを明らかにした。これらの知見からは,EV普及の前提として充電インフラの整備が重要だと分かる。

日本における急速充電器の設置箇所数の推移が第1図である。急速充電器は2009年11月には95箇所に設置されていたが,2010年4月には193箇所,2011年3月には572箇所と,徐々に増加していった。そして2014年3月の1,882箇所から2016年4月には6,469箇所と,2010年代半ばに特に増加したことが分かる。その後は緩やかに増加し,2022年5月では急速充電器は7,800箇所となった。このように充電インフラは2010年代に急激に増加したことが特徴である。全体として,ロジャーズ(2007)に代表される普及研究にて取り上げられているような,一般的なイノベーションの普及と同様の傾向が捉えられる。つまり,インフラの一種である充電インフラも,他のイノベーションと同じく一般的な普及研究の対象として普及プロセスを分析することが可能だと言える。

この時に重要となるのが,採用者カテゴリー(ロジャーズ, 2007)である。第1図のような普及パターンは,時間と共に採用者が増加する中で,新規採用者が正規分布することによって生じる。そして平均と標準偏差を基にこれらの採用者を分類したものが採用者カテゴリーであり,採用者の特徴を抽出,分析するために用いられている。例えば地理学分野では,林(1994)がイチゴの新品種普及について,採用者カテゴリーを踏まえた上で採用時期に着目した分析を行った。その結果,革新者2)の存在とそこからの情報伝達が新品種採用の意思決定に影響し,普及パターンを説明していることを明らかにした。加えて,普及パターンを地図化することにより,このパターンが明確な近接効果ではないこと,その要因として新品種に関する情報がすべての生産者にほぼ同時に提供されることも指摘している。同様に林(2004)西原・村澤(2013)も,採用時期を踏まえた採用者カテゴリーによって新品種の採用理由が異なること,先行して新品種を採用した農家からの情報提供が採用者の増加に影響することを明らかにした。こうした知見は,採用時期やそれに基づく採用者カテゴリーへの着目が地域内へのイノベーション普及過程を解明するにあたって有効であることを実証した点で重要である。

先行する採用者からの情報伝達が採用の意思決定に影響する点については,本多(2017)が充電インフラを含む次世代自動車の普及においても指摘している。特にこの事例では,情報伝達の過程で行政だけでなく事業者や住民といったさまざまな種類のアクターが関わるようになったことが普及要因の一つとされている。この研究は充電インフラの採用者に加えて施工事業者も調査対象として為されたものであり,充電インフラの普及プロセスの一端を解明したとも捉えられる。しかし調査対象となった充電インフラの採用者はごく僅かであり,空間分析も行われていない。普及プロセスの解明に地図化に代表される空間的視点が重要であることを林(19941998)が述べていることを踏まえると,充電インフラの地域全体への普及プロセス解明には課題が残ると言える。

また,充電インフラが政策としても普及が進められている点にも注意が必要である。新たなイノベーションの普及には,初期段階において行政やそれに準ずる機関が普及促進のための支援を行うことがある。例えば方針の提示や技術指導(林, 1994, 2004),国による補助事業(佐竹・荒井, 2013, 2017),市町村行政による購入補助(本多, 2017, 2020)が挙げられる。こうした支援についてロジャーズ(2007)は,行動の変化を促すために提供される金銭や物品をインセンティブとして捉え,普及を加速させる要因としている。

充電インフラの普及においては,設置費用の補助がインセンティブに相当すると言える。ここで注目されるのが,都道府県行政が定める「充電インフラ整備ビジョン」(以下,ビジョン)である。充電インフラの設置に対して国から受けられる補助を確認すると,平成24年度補正事業,平成26年度補正事業においては,「第一の事業」において「自治体等が策定する充電器設置のためのビジョンに基づき」との要件が付されている3)。そして対応する計画として,普及計画となるビジョン,設置場所を指定するビジョンマップおよびビジョンリストの3種類が都道府県ごとに定められている。特にビジョンでは普及計画策定にあたって当時の充電インフラ普及状況が記載されており,普及プロセス解明の一助となり得る。この点を利用し,本多(2022)はビジョン策定時と約10年後との充電インフラの分布を比較することで,普及プロセスを分析し,目標値の達成状況や主たる採用者を明らかにした。この成果は,一般の利用者を想定して開放されている充電インフラについては,データを基に分布を地図化して空間分析が行えることを示したと言える。しかしこの研究は二時点間の比較であり,充電インフラの普及を通時的に捉えられていない。

一般的なイノベーションとしての特性を有すると推察される充電インフラであるが,ここまで見てきたようにその普及プロセスには未解明な点も多い。しかし充電インフラは一般の利用者に開放されているインフラであるため,データを入手できれば空間分析は可能である。その上で既往研究の課題に対応するためには,充電インフラの普及プロセスについて,より細かな時間間隔に区切って採用者を分析する必要がある。これは既往研究と同様に採用者カテゴリーを念頭に置いて分析を行うことでもある。加えて,充電インフラが現代においても増加しているインフラであること,本多(2017)が述べるように様々な立場の採用者が想定されることを踏まえれば,その普及プロセスの解明は現代における普及研究として意義を持つと考えられる。そこで本稿では,充電インフラの採用者に着目し,その立地や行動の分析を通して充電インフラ普及パターンの時空間構造とその要因を明らかにすることを目的とする。

第1図  日本における急速充電器の普及(2009-2022年)

データの存在する年月間を直線で繋いでいる。

(CHAdeMO協議会資料により作成)

2. 研究対象地域の選定

本稿の目的を達成するにあたっては,まず充電インフラの立地に関するデータが必要となる。2023年現在,充電インフラに関する情報は,行政のホームページやユーザー投稿型サイトなどのさまざまなWebサイトで公開されている。その中では,充電インフラの規格であるCHAdeMOを運用するCHAdeMO協議会が公開していた「充電施設位置情報データ」が全国規模のデータの一例として挙げられる。このデータは,同一主体が整備,公開するデータによって日本国内を網羅できる点にメリットがある。次世代自動車の普及を政策として進める自治体は,立案にあたって地域内の充電インフラの整備状況を調査,計画書に記載していることも多い。そのため,計画策定当時の調査結果と,CHAdeMO協議会のデータとを比較することで,普及の進展を分析することができる。しかしながら,充電インフラは第1図の通り特定の時期に大きく普及したインフラである一方で,各所で公開されている充電インフラに関する情報は現時点での利用を想定したものである。そのため,本稿の目的を達成するためには,より詳細な設置時期,特に2010年代の状況を把握できるデータが必要になる。

さらに,充電インフラの普及が環境政策の一環としても進められることから,対象地域の空間スケールも考慮する必要がある。先に挙げたように,2010年代では都道府県行政が策定するビジョンが国からの設置費用補助と関連していた。また,個別に購入補助を中心とした普及政策を実施していた市町村も存在した。つまり,充電インフラ普及政策においては国,都道府県,市町村の三つのスケールが想定される。こうした複数の空間スケールに関わる環境政策について,山下(2015)はスウェーデンを事例に分析を行った.その際には,政策の最小スケールとなる都市に焦点を当てることで,政策過程と政策アクターを軸に環境政策の実態を解明した4)。この着眼点は充電インフラ普及について,採用者の行動から分析しようとする本稿でも有用だと言える。

こうした条件を踏まえて,本稿は埼玉県さいたま市を研究対象地域とした。さいたま市は次世代自動車,特にEV活用において独自の政策を行う先進地域である。さいたま市行政は,EV普及の課題の一つとしてガソリン車に比べて航続距離が短いことを想定し,充電インフラの整備を進めた。さらに,市内の一般開放されている充電インフラの位置情報を『E-KIZUNAステーションMAP』(以下,マップ)として公開していた。このマップは,毎年1月頃に市内の充電インフラを集計し,4月頃に公開するという形で作成されており,『平成23年4月時点』のマップから『平成29年4月時点』のマップまで,計7枚が存在する。このマップはさいたま市行政という同一主体が定期的に発行したものであること,発行時期が全国で充電インフラが大きく普及した2014-2016年をカバーしていることから,本稿の研究目的に対応する時空間データとして有用だと考えられる。そこで本稿では,さいたま市を対象地域とし,マップに掲載された情報を用いて2011-2017年の充電インフラ普及プロセスを分析することとした。

3. さいたま市における充電インフラ普及の概要

さいたま市は埼玉県の県庁所在地である。さいたま市は政令指定都市でもあることから,市内は10の区に分かれている(第2図)。市内を南北に縦断する主要道としては,国道17号線や国道122号線に加えて,産業道路および第二産業道路がある。東西方向への道路としては,市の北部に国道16号線が,南部に国道463号線が通っている。その結果,いずれの区にも国道や産業道路といった主要道が通っていることが分かる。第2図に示した2017年時点での充電インフラも,主要道沿いに数多く分布していることが見て取れる。

普及パターンの分析にあたり,まずさいたま市内における充電インフラの普及状況を第3図に示した。充電インフラは1箇所に複数基設置されることがあるため,図中では設置基数と設置箇所数を区別した。さいたま市では急速充電器,普通充電器とも年々増加傾向にあり,データの最終年である2017年には145箇所258基の充電器が市内に存在した。設置箇所数についてみると,特に急速充電器は2014年以降に大きく増加しており,第1図の全国的な傾向に近いことが分かる。これに対して普通充電器は2016年から2017年にかけて大きく増加していた。なお,2017年に普通充電器の基数が設置箇所数の増加(+24箇所)に対して大幅に増加(+92基)しているのは,大型商業施設に一度に67基が設置されたことによる。

第2図  さいたま市における充電インフラの分布(2017年)

(政府統計の総合窓口(e-stat),『E-KIZUNA ステーションMAP(平成29年度版)』およびArcGIS Geo Suite道路網2022((c) Esri Japan, 住友電工)により作成)

第3図  さいたま市における充電インフラの普及(2011-2017年)

(『E-KIZUNA ステーションMAP(平成23-29年版)』により作成)

II. 使用したデータ

1. 充電インフラ

本稿で使用するマップには,充電インフラを有する施設の名称に加え,住所や電話番号,急速充電器と普通充電器の区別といった情報が毎年掲載されていた。また,年度によっては利用可能時間や定休日などの情報が掲載されている場合もあった。ただし,マップには緯度経度の情報は掲載されていない。そこでまずマップとCHAdeMO協議会のデータのさいたま市部分とを照合し,どちらにも掲載されている充電インフラ118箇所についてはCHAdeMO協議会資料の緯度経度を採用した。マップにのみ掲載されている充電インフラ31箇所については,筆者が個別に取得した緯度経度を使用した。加えて,充電インフラの設置施設を公共施設,ディーラー,自動車関連その他5),その他業種の4種類に区分した。

以上の手順により,緯度経度と掲載年の情報を備えた149箇所の充電インフラデータを作成した。なお,充電インフラの中にはマップに掲載されなくなったものもあるため,2017年時点でのマップの掲載数とは一致しないことに留意されたい。その他に,2011年から2017年までの期間中に充電器の基数が増えたり,設置されている充電器が入れ替わったりした箇所についても,変化の状況を個々の充電インフラデータに追加した。

2. ビジョン

充電インフラ整備ビジョンは,先述の通り設置補助と関わるため,採用促進のインセンティブとなり得る。そこで市スケールを対象とする本稿でも,ビジョンを分析に取り入れる。本稿の対象地域であるさいたま市に対応するビジョンは,埼玉県行政によって定められている。分析に用いるビジョンとしては,『埼玉県のビジョンリスト(2016/3/25現在)』6)(以下,リスト)を使用した。このリストにはNo. 1~224までのビジョンが存在し,その中でさいたま市を含むものは33存在する。これらを基準となる地物により分類したものが第1表である。33のビジョンのうち5つが特定の施設であることに対して,残りの28は,道路から幅2 km,ICを中心とした半径3 km,特定の町丁目のように,何らかの領域を指定している。そのため,分析ではこの領域をGIS上で再現する必要がある。そこで,以下の方法でビジョンと対応するポリゴンを作成した。

まず,ビジョンの基準となる道路,IC,町丁目を抽出する。本稿では,抽出元のデータとして町丁目には平成27年度国勢調査の「小地域」を,ICには国土数値情報の「高速道路時系列(平成27年)」を,道路には『ArcGIS Geo Suite 道路網(2022)埼玉県』7)を使用した。道路についてはビジョンマップ 8)を参考に,対象区間,路線をさらに選択して使用した。そして,道路とICについて第1表に示した範囲のバッファーを作成することで,ビジョンが示す領域と対応するポリゴンを作成した。

次に,ビジョンに沿って設置された充電インフラを確認する。リストでは,ビジョンに沿って実際に設置された充電インフラについて,管理No,管理No付与日,充電器の種類,基数,設置住所が記されている。この情報を前節の充電インフラデータと照合し,マップに掲載された充電インフラについて,リストに掲載されたものかどうかを識別した。その結果,149 箇所のうち49 箇所がリストにも掲載されていた。これらの充電インフラデータに,管理No,管理No付与日,充電器の種類,基数といったリストの情報を結合した。この時,ビジョンリストに掲載されているがさいたま市のマップには掲載されていない充電インフラについては,採用者を識別する情報が限られており,マップとデータの内容が統一できないために本稿の分析対象には含んでいない。

第1表 

埼玉県におけるビジョン設定方法(2016年3月)

対象 範囲 さいたま市を含むビジョンの数
国道,主要県道10~15kmごと 沿線の幅2km 12
IC周辺 周辺3km 2
利用が見込まれる施設 大型商業施設等 5
その他 町丁目 14

(『埼玉県のビジョンリスト(2016/3/25現在)』および『埼玉県のビジョンマップ』により作成)

3. 採用者の行動

充電インフラは行政による整備・普及政策が存在する一方で,個々の事業者によっても採用されるものである。そのため,普及パターンの解明には,充電インフラやビジョンのデータを分析するだけではなく,行政や事業者の意思決定についても考慮する必要がある。そこで,2015年1月~12月にさいたま市行政と埼玉県行政,および一部の採用者9)へ聞取り調査を実施した。特に行政には充電インフラ普及に関する政策を,採用者には採用の経緯について聞取りを行った。

III. 充電インフラ採用者の分布と行動

1. 充電インフラ採用者の分布

マップに掲載されていた充電インフラについて,掲載年別に第4図に示した。図中ではIIの2で作成したビジョンの範囲も示している。

まず,さいたま市内の10区全てに2011年時点で充電インフラが1箇所以上存在していたことが特徴として挙げられる。マップ掲載年に着目すると,北区から大宮区,中央区では国道17号沿いにて2011年から2013年頃までに充電インフラが普及していた。これに対して市北西部の主要道沿い,および市南東部の浦和美園では,2015年度以降に普及した充電インフラが目立っている。また,桜区や岩槻区の国道16号線沿いでは,充電インフラの掲載年が2011,2012年と2016,2017年と,データが入手できた期間の中で二極化していた。全体的には,さいたま市では全ての区で2011年から充電インフラが増加していた。

次にビジョンの範囲についてみると,さいたま市では第1表のように国道に加えて産業道路が基準となり,市内のほぼ全域がいずれかのビジョンの範囲になっている。その結果,充電インフラ149箇所のうち146箇所はビジョンの範囲内に立地していたことが分かる。これに対して,ビジョンの範囲外に立地している充電インフラは3箇所であり,その全てが2012年のマップから掲載されるようになったものである。

以上の結果から,さいたま市においてはビジョンがほぼ全域をカバーしていることから,充電インフラ設置の空間的指針とはなりにくいことがうかがえる。その一方で,ビジョンは経済的インセンティブとも捉えられることから,採用者の何らかの行動変化を促している可能性はある。そのため,充電インフラ普及とビジョンとの関係性について,採用時期の観点から再整理を行う。

第4図  掲載年,採用者別にみた充電インフラの分布(2011-2017年)

(政府統計の総合窓口(e-stat),『E-KIZUNA ステーションMAP(平成23-29年版)』,『埼玉県のビジョンリスト(2016/3/25現在)』およびArcGIS Geo Suite道路網2022((c) Esri Japan, 住友電工)により作成)

2. 採用時期とその特徴

山下(2015)本多(2017)は,政策の転換点に着目して時期区分を行い,政策に関わるアクターを分析することで特徴を解明している。本稿も同様に政策に関わる採用者を分析するものであるため,政策の転換点を用いて時期区分を行うことが適していると考えられる。ここで着目する政策が,埼玉県の充電インフラ整備ビジョンである。

リストの管理No付与日を見ると,さいたま市に立地する各充電インフラの管理No.付与日は2013年6月26日から2015年11月30日までの期間にそれぞれ存在する。マップの集計,発行は各年の1月から4月頃に行われるため,管理Noが付与された期間の充電インフラ普及は2014年,2015年,2016年のマップに現れると考えられる。そこで,2011年から2013年までを「時期I」,2014年から2016年を「時期II」,2017年を「時期III」として時期区分し,充電インフラの普及をさいたま市行政および埼玉県行政の政策との関連から分析することとした。

まず,充電インフラの新規採用者について業種ごとに第5図のように集計した。時期Iに相当する2011,2012,2013年では,新規採用者75のうち公共施設が19(25%),ディーラーが34(45%),自動車関連その他が10(13%),その他業種が12(16%)であり,公共施設とディーラーが多くなっている。ただし公共施設の新規採用は2011,2012年に,ディーラーの新規採用は2011,2013年に集中していた。時期IIの2014,2015,2016年では新規採用者52の内訳は公共施設6(12%),ディーラー3(6%),自動車関連その他11(21%),その他業種32(62%)と,時期Iでは新規採用が少なかった業種が逆に多くなっていた。特にその他業種は2015,2016年では各10以上新規採用が見られた10)。そして時期IIIでは,新規採用22のうち公共施設1(5%),ディーラー19(86%),その他業種2(9%)と,再びディーラーの新規採用が多くなっていた。この結果を踏まえると,さいたま市では時期ごとに新規採用者の業種に特徴があると言える。具体的には,時期Iでは公共施設とディーラーが,時期IIではその他業種が,時期IIIではディーラーが,それぞれ顕著な新規採用者となっていた。

さらにマップを経年比較すると,掲載当初と比べて設置している充電インフラが変化したケースが確認できた。そこで採用後の行動について,マップの掲載情報から「充電インフラの更新」,「充電インフラの追加」に分類した上で集計した(第2表)。なお,2017年のマップに掲載されていない4箇所については,充電インフラの開放を取り止めたのか,施設自体が無くなったのかを判別できないため,集計からは除外した。

採用後に充電インフラの情報が変化したのはディーラー18,その他業種2の合計20である。15のディーラーが更新を行っているほか,追加を行ったディーラーも11存在する。ただし普通充電器を追加したディーラーのうち8は,前年に普通充電器を急速充電器に更新しており,元々保有していた普通充電器が掲載されるようになった可能性がある。加えて,その他業種でも普通充電器の追加がみられた。こうした採用後の変化は,ほとんどが時期IIに相当する2014-2016年に集中している。そのため,時期IIにおいてはその他業種による新規採用に加えて,主にディーラーによる更新・追加も特徴的な行動と言える。

第5図  時期ごとの充電インフラ新規採用者(2011-2017年)

(『E-KIZUNA ステーションMAP』(平成23-29年版)により作成)

第2表 

マップ掲載後の変化(2012-2017年)

時期I 時期II 時期III
業種・行動 2012 2013 2014 2015 2016 2017
ディーラー・更新 2 1 3 8 1 0
ディーラー・追加(急速/普通) 0 0 0 0 2/9 0
その他業種・追加(急速/普通) 0 0 0 0 0/2 0

(『E-KIZUNA ステーションMAP(平成23-29年版)』により作成)

2016年に普通充電器を追加したディーラー9のうち8は,2015年に更新したディーラーである。

3. 採用の意思決定

充電インフラの採用経緯について,採用者へ聞取り調査を実施した結果が第3表である。この表では,採用の経緯に加えて,ビジョンリストへの掲載状況,および市内のグループ施設の状況をまとめた。ここでグループ施設とは,店舗名のうち地名以外の全てが一致することを条件として同一グループに属すると判断した施設を指す11)

それぞれの採用経緯をみると,基本的には自社方針によって採用が決定されていることが分かる。ただし,グループ施設を有する採用者については,「域内の全店舗へ設置」,「グループの方針」と,設置先が複数になり得る経緯があった。そこでマップから同一グループの採用者を抽出,集計すると,第3表の右側に示したように,番号2,3のグループ施設はマップ掲載時期,管理No.付与日が同一であった。そのため,番号2,3は複数の施設で同時期に充電インフラを採用したことが分かる。

次に,グループ施設が同時期に採用するという行動の一般性について検証するため,マップの掲載情報を基に,他社についてもそのグループ施設をそれぞれ集計し,結果を第4表に示した。抽出できたグループは,ディーラー(Cd)が11,自動車関連その他(Co)が4,その他業種(O)が8の計23グループであり,充電インフラ設置箇所としては84箇所となる。表中では各グループについて,含まれる施設数とマップ掲載時期を示した。この時,全ての施設が同一年のマップから掲載されるようになった場合には,マップ掲載時期を太字にして識別した。

ディーラーの11グループについてみると,時期Iに採用している6グループと時期IIIに採用した1グループの計7グループ32箇所が,同一年からマップに掲載されたことが分かる。自動車関連その他では時期IIから採用したCo3の2箇所のみが同一年からの掲載となっているものの,その他業種では時期IIに採用した6グループ16箇所が同一年からの掲載となっている。さらに,掲載時期が複数に跨るグループであっても, Cd8,Cd9,Co2,Co4はほぼ全ての施設が同一年からマップに掲載されていた12)。これらをまとめると,23グループ中18グループ,84箇所中67箇所が同一年からマップに掲載された,つまりグループ施設が同時期に充電インフラを採用したことになる。この集計結果を踏まえると,グループ施設が同時期に充電インフラを採用するという行動は,聞取り調査を実施した採用者のみに留まらず,さいたま市内で広く行われている行動であると考えられる13)

第3表 

充電インフラの採用経緯とグループ施設の状況(2015年)

調査対象者の状況 グループ施設の状況
番号 掲載時期 業種 経緯 ビジョン掲載 市内グループ施設 掲載年 管理No.付与日
1 I 自動車関連その他 自社方針
2 I ディーラー

自社方針

域内全店舗へ設置

3 II その他業種 グループの方針
4 II 自動車関連その他 自社方針

(聞取り調査,『E-KIZUNAステーションマップ(平成23-29年版)』および『埼玉県のビジョンリスト(2016/3/25現在)』により作成)

有:同じグループに属する施設が複数存在。同:他のグループ施設と年月日のデータが同一。

 

第4表 

グループ施設の充電インフラ採用時期(2011-2017年)

番号 マップ掲載時期 施設数 掲載年が同一の施設数
Cd1 I 3 3
Cd2 I 3 3
Cd3 I 4 4
Cd4 I 5 5
Cd5 I 7 7
Cd6 I 7 7
Cd7 I, III 5 2, 3
Cd8 I, III 9 8
Cd9 II, III 4 3
Cd10 II, III 2
Cd11 III 3 3
Co1 I, II 2
Co2 I, II 5 4
Co3 II 2 2
Co4 II 3 2
O1 I, II 2
O2 I, II 2
O3 II 2 2
O4 II 2 2
O5 II 3 3
O6 II 3 3
O7 II 3 3
O8 II 3 3

(『E-KIZUNA ステーションMAP(平成23-29年版)』により作成)

Cd:ディーラー,Co:自動車関連その他,O:その他業種。

I:2011-2013年,II:2014-2016年,III:2017年。

マップ掲載時期の太字は全ての施設が同一年のマップから掲載されていることを表す。

IV. 充電インフラの普及プロセス

1. さいたま市における普及パターン

さいたま市では,利用者からみた場合には充電インフラは時期Iから全体的に普及していた。しかしマップとビジョンを用いた分析,および充電インフラ採用者の行動の分析結果を踏まえると,さいたま市における充電インフラの普及にはいくつかの特徴が確認できた。これらを整理して模式的に表現したものが第6図である。

図の最上段には,マップに表れている状況,つまり利用者からみたさいたま市内全体での充電インフラ普及状況を示した。次に,採用者には業種と採用時期との間に関連が見られたため,公共施設,ディーラー,自動車関連その他,その他業種の4種類について,充電インフラの採用時期と採用した施設が立地する区とを合わせて示した。同じく空間的範囲を示すものとしてビジョンの範囲も図中に加え,設置補助に影響した時期IIのみ同範囲を強調して表現した。そして,各採用者の行動について,IIIの2における分析結果を基に,更新・追加,新規設置,既設置,設置なしに区分した。この時,更新・追加は新規設置,既設置と識別するために表現を変えた。

時期I(2011-2013年度)では,充電インフラの顕著な採用者は公共施設とディーラーである。さいたま市は政令指定都市であり,各区に区役所が立地する。そのためさいたま市行政が各区役所にて充電インフラを採用したことで,全ての区で充電インフラが新規採用された。また,ディーラーも6グループ29施設によって浦和区を除く9区で充電インフラが新規採用された。

時期II(2014-2016年度)は,ビジョンによって空間的指針が示され,設置補助に影響があった時期である。さいたま市はほぼ全域がビジョンの範囲内ということもあり,時期IIに新規採用,あるいは更新・追加された充電インフラは全てビジョンの範囲内に立地している。ビジョン範囲外に立地する充電インフラは時期Iに設置されたものであり,更新・追加は行われていない。時期IIでは,まずその他業種での充電インフラ採用が進んだ。その他業種でも同じグループに属する施設が一斉に充電インフラを採用する例が6グループあり,市内の異なる区に同時に充電インフラが新規設置された。また,この時期には主にディーラーによる充電インフラの更新・追加も数多く行われた。更新・追加は既に充電インフラを設置した施設が行うため,普及の空間的範囲は変化しない。時期IIはさいたま市において充電インフラ設置施設,つまり採用者数が大きく増えた時期であり,中でもその他業種の新規採用が多数を占めた。この結果,利用者からみた充電インフラの普及状況もその他業種の行動を反映して変化した。ディーラーによる更新・追加もマップの変化ではあるが,空間的な普及拡大には繋がっていない。

時期III(2017年度)では,ディーラーが主な新規採用者である。この時期には充電インフラを更新・追加した例がなく,ビジョンの範囲外への設置もみられなかった。時期IIIとなる2017年は,第1図のように全国的にも充電インフラ普及が落ち着いてきた時期であり,さいたま市内でも同様の傾向であったと考えられる。

第6図の整理を基にすると,さいたま市における充電インフラの普及パターンについて二つの特徴が指摘できる。まず,時期によって特徴的な採用者の業種が異なっていた。これにより,利用者に見えている分布の変化は,時期Iでは公共施設とディーラーの,時期IIではディーラーと他業種の,時期IIIではディーラーの新規採用者,および更新・追加をした採用者の分布を反映している。言い換えれば,市内全体の充電インフラ分布やその変化は,実質的には各時期において特徴的な行動を取った業種の分布なのである。

次に空間的な特徴として,さいたま市内では特定の区から普及が進むのではなく,時期Iから全ての区に充電インフラが普及していた。これは,採用者が複数のグループ施設で同時に採用した結果だと考えられる。さらに,初期の充電インフラ整備に影響した公共施設,特に区役所はさいたま市行政のグループ施設とみなすことができる。その場合,公共施設への充電インフラ設置も,各事業者と同じくグループの意思決定,およびグループ施設への採用と捉えられる。こうしたグループ施設はいずれの業種でも市内の複数の区に立地しているため,各施設が同時期に充電インフラを採用することで,利用者には複数の区に一斉に充電インフラが普及したように見えているのである。

以上の結果より,顕著な採用者の業種が時期ごとに異なるという時間的な特徴と,グループ施設での同時採用によって複数の区に一斉に充電インフラが普及するという空間的な特徴の二点が,充電インフラの普及パターンだと考えられる。

第6図  さいたま市における充電インフラの普及パターン

2. 普及パターンの時空間構造とその要因

本多(2017)は先端技術普及において多様なアクターが関わる重要性を指摘したものの,空間的な普及への影響は未解明に留まった。この課題に対して本稿は,一年間隔で発行されたマップを基に,採用者の空間分布とその行動を分析した。

さいたま市における充電インフラの普及は,設置箇所数の増加傾向としては全国的な傾向に近い。そして採用者の行動を詳細に分析すると,時期によって多数派となる業種が異なっていた。これはロジャーズ(2007)林(1994)が着目した採用者カテゴリーが,本稿では業種の違いと近くなったと言える。政策の転換点にて関わるアクターが変化することは,山下(2015)本多(2017)も指摘した点であり,本稿でも新規設置や更新・追加といった行動が政策を契機に変化したという点で共通する。さらに政策が設置補助に関わることから,ロジャーズ(2007)が普及要因として指摘するインセンティブが採用の意思決定に影響したとも捉えられる。ただし本稿において時期による業種の違いを生み出したのは,政策の影響だけではない。充電インフラ採用者の業種が時期ごとに顕著に異なるのは,偶発的なものではなく,グループ施設が同時期にまとまって採用し,当該業種の採用者が大きく増加したことによる。充電インフラは各施設が採用するインフラのため,意思決定としては1グループの方針であっても,実際の採用者は複数となる。これにより,グループの方針が充電インフラ普及の時間パターンを規定する要因となったと考えられる。

この点は,充電インフラ普及の空間パターンにも関係している。林(1994)は,普及に近接効果が見られなかった要因として,情報が地域内に一斉に伝わったことを指摘した。さいたま市における充電インフラの普及も,当初から全ての区に充電インフラが普及していた。これは第6図の通り複数の採用者の分布が重ね合わされたものであるが,業種ごとに分類しても複数の区で同時に普及が進んでおり,近接効果とは考えにくい。充電インフラは単独で存在する施設ではなく,何らかの施設に付随する設備であるため,その分布は採用した施設の分布と同一となる。そのため,市内の各区に点在する同一グループの施設が採用した場合,充電インフラも市内の各区に普及することとなる。同一グループの施設は同時期に充電インフラを採用する傾向がみられることから,本稿でも近接効果は確認できず,グループ内での情報伝達,グループ施設への設置によって充電インフラが空間的に普及したと考えられる。

第6図のディーラーや自動車関連その他の状況にも表れている通り,業種によっては充電インフラが普及しない区があるが,これはその業種,または採用を決定したグループの施設が立地していない区だと考えられる。逆に区役所のように最初から全ての区に立地している施設は,一斉に採用することで市内全体への充電インフラ普及に繋がっていた。このことから,本稿における採用者カテゴリーと言える業種の違いは,グループ施設への採用を通して普及の空間パターンの要因にもなっていると考えられる。

本多(2017)は多様なアクターの存在をイノベーションの普及要因として指摘した。充電インフラの普及においては,この点は業種ごとの施設の分布として現れた。業種によっては施設を有さないために充電インフラが採用されない区があるものの,様々な業種の採用者が存在し,その施設の分布が重なることで,利用者視点からは市内全体に充電インフラが普及したように見えている。つまり多様なアクターの存在は,単なる充電インフラの数の増加だけでなく,空間的な充足,普及拡大にも影響すると言える。

充電インフラは新たなイノベーションであるが,その普及プロセスは上記のように普及や環境政策に関する既往研究の枠組みを用いて捉えることができた。そして地域のデータを用いて採用者を分析することで,充電インフラ普及パターンの時空間構造を明らかにしたことが,本稿による意義である。加えて本稿では,聞取り調査の結果に基づいてデータを再集計することで,政策だけでなくグループの方針がその採用時期や空間分布に影響することを指摘した。これは充電インフラの特性を反映した普及研究に対する知見と言える。

V. おわりに

本稿は,さいたま市を事例として充電インフラの採用者に着目し,その立地や行動の分析を通して充電インフラ普及パターンの時空間構造とその要因を明らかにすることを目的とした。そして,マップやビジョンといった時空間情報の分析と,各採用者の意思決定や行動の分析とを組み合わせ,充電インフラ普及の特徴について考察した。その結果,以下の諸点が明らかになった。

全国的に充電インフラが大きく普及した2010年代において,さいたま市ではその最初期から充電インフラが市内の全区に立地していた。その後も市内の充電インフラは毎年増加した。次に,採用者の行動を時期区分して分析すると,新規採用を行う業種が時期ごとに異なるという特徴が明らかになった。この過程では,初期に採用した充電インフラについて,後に更新・追加を行った採用者も存在した。そして採用者への聞取りを基に充電インフラデータを再集計すると,グループ施設において一斉に充電インフラを採用するという行動を複数のグループが取ったことが考えられる。この行動により,各時期で採用者の業種構成に違いが生じたと言える。また,結果として市内のさまざまな区に同時に充電インフラが普及した。

こうした分析を踏まえれば,充電インフラ普及パターンの時空間構造は,政策やグループの方針によって採用時期が,グループが有する施設の立地によって空間分布が決定されたと考えられる。採用者の行動について,等間隔で発行された資料を基に詳細に分析したことで,こうしたパターンとその要因を実証的に解明したことが,本稿による新たな知見である。

本稿では時空間分析に用いたデータの都合上,分析範囲をさいたま市に限定せざるを得なかった。しかしビジョンには他自治体の充電インフラ設置に関する時空間情報も掲載されていることから,分析範囲を市外に拡大できることが見込まれる。こうしたより広域的な分析および普及パターンの解明が本稿の課題である。

謝辞

本稿の執筆にあたり,さいたま市環境未来都市推進課(当時)の皆様には,聞取り調査にご協力いただくと共に,『E-KIZUNAステーションマップ』を含む各種資料をご提供いただきました。また,採用経緯に関する聞取り調査にご協力いただいた皆様にも大変お世話になりました。ここに記して御礼申し上げます。本稿は文部科学省科学研究費助成事業(若手研究:『「活用」からみた先端技術普及プロセスの解明──自動車の普及を事例として』,課題番号:21K13155,研究代表者:本多広樹)の一部であり,その骨子は東北地理学会2022年度春季学術大会において発表した。

1) 本稿ではEVに電力を供給する設備を「充電インフラ」と総称する。そして各種データの比較や分析のため,実際に設置される機器は「急速充電器」と「普通充電器」とを識別する。

2) ここで言う革新者とは,集落内で最初期に新品種の試験栽培を行った農家を指している。

3) 一般社団法人次世代自動車振興センター,過去の事業手引き・様式類,https://www.cev-pc.or.jp/hojo/juden_contact.html(最終閲覧日:2023年5月9日)

4) 本多(2017, 2020)も同様の理由から市町村スケールで先端技術の普及プロセスを分析している。

5) 整備工場や附属品の販売店,駐車場などを指す。

6) 一般社団法人次世代自動車振興センター,埼玉県のビジョンリスト(2016/3/25現在),https://www.cev-pc.or.jp/hojo/pdf/visionlist_saitama.pdf(最終閲覧日:2022年6月2日)

7) ArcGIS Geo Suite道路網2022((c) Esri Japan, 住友電工)による。このデータは他のデータと作成時期が異なるが,対象の道路については変更はない。

8) 一般社団法人次世代自動車振興センター,埼玉県のビジョンマップ,https://www.cev-pc.or.jp/hojo/hosei_vision_map_saitama.html(最終閲覧日:2022年6月2日)

9) 充電インフラの採用者としてディーラー1社,自動車関連その他2社,その他業種1社に聞取り調査を実施した。この結果のうち,自社の採用経緯と他アクターとの関係性についての調査結果は本多(2017)にて使用した。

10) 時期IIのその他業種では,量販店やコンビニエンスストア,飲食店などでそれぞれ複数の採用者がみられた。

11) 例えば,ABCディーラー浦和店とABCディーラー大宮店は地名のみが異なるので同一グループ,ABディーラー岩槻店は名称が完全には一致しないので別グループ,のように集計した。

12) Cd8は9箇所中8箇所,Cd9は4箇所中3箇所,Co2は5箇所中4箇所,Co4は3箇所中2箇所が同一年からマップに掲載されていた。

13)除外したグループとして,Cd7の5箇所は,2箇所,3箇所と分かれて同一年のマップから掲載された。また,Cd10,Co1,O1,O2はグループ施設が各2箇所,かつマップ掲載年は異なっていた。

References
 
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