本稿では,土質柱状図やコア堆積物の解析と分析にもとづき,若狭湾中部南岸の小規模な沖積低地である小浜低地の沖積層およびその下位に分布する更新世堆積物の特徴を報告する。沖積層は下位から基底礫層,中部砂泥層,上部砂礫層に大別され,これらの下位の更新世堆積物にも礫層と泥層の組み合わせが複数回認められることから,104-105年スケールでの低地の沈降が示唆された。河口付近は海洋酸素同位体ステージ2から1の海水準上昇により浅海域となったが,その分布は河口から3-4 km程度の範囲に限定される。この浅海域は,流域面積が小さいながらも,大きな河床勾配をもつ北川やその支流から供給された礫を含む粗粒な堆積物によって急速に埋積された。