季刊地理学
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工業化以前の八戸における土地利用パターンの形成
横尾 実
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1995 年 47 巻 2 号 p. 119-134

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抄録

近代工業が発達する以前の八戸における土地利用パターンの形成過程を明らかにし, その要因を考察する。1930年代半ばの時点で, 江戸時代に起源を持つ旧城下八戸, それと隣接する港町の小中野, 湊, 白銀および鮫では, 街道や港を中心に商店街, 商工混合地区と住宅地区が形成され, 細長い連担市街地が出現した。経済的側面では, 19世紀末以後鉄道が開通し, 港の復興と修築が進行するとともに, 1920年代には漁獲量, 魚粕生産量が増大し, セメント生産と鉱石輸送も加わって産業発展の胎動期に入った。後段では漁業, 工業, 駅そして港を取り上げ, それらが八戸の土地利用パターン形成に対して果たした役割を検討する。

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