抄録
ヨーロッパでは人間社会のグローバル化とともに, とくにEU域内においては従来の国家に代わって地域の重要性が高まり, 各地域の中心をなす大都市間の競合が激化してきた。したがって, ドイツでも大都市の競争力を強化するために, 行政地域改革や都市間協力などの措置が講じられるようになった。ハノーファー市を中心とする「ハノーファー地域」の形成と都市ネットワーク「エキスポ・レギオン」の発展はそうした新しい計画として注目される。「ハノーファー地域」は郡に復帰する特別市ハノーファーとハノーファー郡の自治体によって構成される一種の広域郡で, 2001年11月に発足が予定されている。
一方, 2000年世界博の開催を契機としてハノーファー市とその周辺のいわゆる「第2環状都市」によって形成された都市ネットワーク「エキスポ・レギオン」は, 1994~98年にかけて連邦空間整備において実施された12のモデル計画の1つに選ばれ, 今日まで積極的に活動してきた。ドイツにおいてもハノーファー市のように, 大都市とその周辺自治体とが一種の広域郡を形成し, さらにその周辺の都市との間に都市ネットワークを形成している例はなく, 模範的事例の1つと考えられる。