天理医療大学紀要
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顔面神経麻痺予後診断のためのElectroneurography(ENoG)の測定手技
和田 晋一
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2022 年 10 巻 1 号 p. 14-21

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抄録
 電気生理検査の一つであるElectroneurography(ENoG)は顔面神経麻痺の予後診断に有用である。ENoG値は健側、患側とも同様に測定し、複合筋活動電位(CMAP)の振幅を(患側CMAPの振幅)/(健側CMAPの振幅)×100(%)で表す。しかし,本邦において測定方法が標準化されていないのが現状である。
 正確な記録を行うには記録電極位置がCMAP波形に重要である。そして刺激に関しては刺激電極の陰極は茎乳突孔近傍で陽極は陰極と外眼角とを結ぶ延長線上に設置し,電流量は40mAを目安に刺激する。さらにアーチファクトに注意しながらENoG値を算出し,予後判定基準により評価することで予後をより正確に判定できる。
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© 2022 学校法人天理よろづ相談所学園 天理医療大学
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