天理医療大学紀要
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医療専門職に対するマネジメント教育
次橋 幸男
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2020 年 8 巻 1 号 p. 36-41

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抄録

大きく変化する日本の社会情勢において,効率的,持続的に医療を提供し続けるためには,医療の現場においても優れたマネジメントが求められている。そのためには,医療専門職がマネジメントを学び,実践することによって個々のマネジメント能力を向上させていく必要がある。

医療専門職がマネジメントを学ぶ手段としては,診療現場におけるマネジメントの実践,外部で開催されている各種研修会への参加,組織における研修会(院内MBA等),そして大学院における専門教育等がある。マネジメント教育においては,問題発見と意思決定力を養う学習方法としてケースメソッドが広く活用されている。ケースメソッドは教育的な事例(ケース)を用いて,受講生同士の間,受講生と講師の間で積極的にディスカッションを行うことで,受講生の多様な意見を引き出し,問題解決能力を高めることを目的としており,基礎的知識の習得に加えてディスカッションを通じた受講生同士のネットワーク形成も期待できる。

マネジメントを学ぶ時期としては,自らがマネジメントを学ぶ必要性を感じた時がそのタイミングだと言えるだろう。マネジメントを学ぶ上で留意しておく点としては,マネジメントは技術であるため,実践しなければその能力向上は期待できないことである。そのため,学習者が習得した知識を用いてマネジメントを実践できる立場や場を有していることが望ましい。マネジメント教育には様々なタイプがあるが,教育の量や質の違いだけではなく,経済的,時間的負担の差など様々な特徴がある。そのため,学習者自身がマネジメントを学ぶ目的を明確にした上で,その目的にかなった教育法を選択する必要がある。

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© 2020 学校法人天理よろづ相談所学園 天理医療大学
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