2009 年 25 巻 2 号 p. 53-58
根治的放射線化学療法後に再発した食道癌に対して温熱化学療法が奏効した一例を報告する. 頸部食道癌に対して根治的化学放射線療法によって腫瘍の完全消失後, 5ヶ月で食道癌が再発した. 化学療法 (5FU・ネダプラチン) を行ったが腫瘍はさらに増大した. その後, サルベージ (救済) 療法として温熱療法とS-1による化学療法を行ったところ腫瘍の消失が得られ, 4クール, 副作用なく外来にて治療を行った. 根治的化学放射線療法後の食道癌再発に対する治療法の選択肢は限られていることから, サルベージ温熱化学療法は有効な治療法となりえる可能性が示唆された.