Thermal Medicine
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リエントラント型空胴共振器を用いた加温アプリケータにおける非侵襲温度計測
大和田 寛石原 康利
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2010 年 26 巻 2 号 p. 51-62

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抄録

ハイパーサーミアの治療効果を向上するため, 非侵襲温度変化計測手法を提案した. 提案した技術は, 誘電体の温度依存性とその温度変化によって変化する加温アプリケータ内の電磁界分布を利用している. この電磁界分布の利用に加えて, 生体内の温度変化分布の画像は, コンピュータ断層撮影 (CT) アルゴリズムを適用することによって再構成される. 提案した温度計測は, MRIのような大掛かりな測温装置を付加することなく, 生体内の温度分布を非侵襲にモニターできる可能性がある. さらにこの温度モニタリング手法は, 空胴共振器を利用した加温アプリケータと統合するのが容易であるので, 加温と測温が統合された治療システムは, 加温効果を非侵襲にモニタリングしながら, 癌を効果的に治療できる可能性がある. 本論文では, 温度変化による電磁界の位相変化分布を, 有限差分時間領域 (FDTD) 法を用いた数値解析によってシミュレートした. さらに, 対象とする生体内の位相変化分布を推定するために, 逆投影法によって温度変化にともなう位相変化分布を再構成した. また, 再構成された位相変化分布を温度変化に換算し, 温度変化分布の再構成精度を評価した.

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© 2010 日本ハイパーサーミア学会
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