東海北陸理学療法学術大会誌
第24回東海北陸理学療法学術大会
セッションID: O030
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骨粗鬆症性脊柱圧迫骨折における腰仙椎前彎角と椎体圧潰率の関連性について
*宿南 高則, 赤羽根 良和, 篠田 光俊, 吉田 徹, 林 典雄
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抄録
【はじめに】 我々は第22回東海北陸理学療法学会において、脊柱起立筋の筋力維持と強化、姿勢の維持を目的とした運動療法が椎体の圧潰を抑止する効果があることを報告した。
今回、腰仙椎前彎角は受傷時の圧潰の程度ならびにその後の椎体圧潰の進行に影響を与えるか否かについて検討したので報告する。
【方法】
1)対象
平成16年1月から平成17年12月までに当院を受診し、脊椎圧迫骨折と診断された318例のうち、単椎体骨折で終板圧潰型を呈し、共通の運動療法を実施した105例(全例女性、平均年齢76.5±8.0歳)を対象とした。また、椎体後方要素の損傷である破裂骨折および神経症状を呈したものは除外した。慈恵大骨萎縮度分類は、1型14例、2型24例、3型71例であった。骨折椎体は第5胸椎が1例、第7胸椎が3例、第8・9胸椎がそれぞれ1例、第10胸椎が3例、第11胸椎が10例、第12胸椎が18例、第1腰椎が28例、第2腰椎が15例、第3腰椎が12例、第4腰椎が7例、第5腰椎が6例であった。
2)計測方法
 受傷時腰仙椎前彎角ならびに受傷直後、受傷後2ヶ月時、受傷後4ヶ月時の椎体圧潰率について計測した。腰仙椎前彎角はX線側面像より第1腰椎上縁と仙骨上縁のなす角を計測した。ただし、骨折部位が第1腰椎の症例は、第12胸椎下縁と仙骨上縁のなす角を計測した。椎体圧潰率は椎体前縁をA、椎体後縁をPとし、A/P×100として算出した。
3)検討項目
 受傷時腰仙椎前彎角と椎体圧潰率の関係を受傷時、受傷後2ヶ月時、受傷後4ヶ月時にてそれぞれ検討した。統計学的処理にはピアソンの相関係数の検定を用い、有意水準は5%とした。
【結果】 受傷時の腰仙椎前彎角と受傷時の椎体圧潰率とは相関はなかった(r=0.14、p=0.16)。すなわち、受傷時の椎体圧潰の程度に腰仙椎前彎角は影響しないことが伺えた。また、受傷時の腰仙椎前彎角と受傷後2ヶ月時の椎体圧潰率は正の相関を認めた(r=0.19、p=0.05)。受傷時の腰仙椎前彎角と受傷後4ヶ月時の椎体圧潰率においても有意な正の相関を認めた(r=0.26、p=0.01)。すなわち、受傷時の腰仙椎前彎角が少ないものは、その後の経過において椎体の圧潰が進行しやすい傾向がある。
【考察】 今回の結果より、受傷時の腰仙椎前彎角と受傷時の椎体圧潰の程度とは関連がないことが分かった。受傷時の椎体圧潰には、受傷時の脊柱アライメントの要因以上に受傷時の外力の大きさ、骨粗鬆症などの多要因の影響が関与すると考えられた。
また、受傷時の腰仙椎前彎角と受傷後2ヶ月時、受傷後4ヶ月時の椎体圧潰率は有意差を認めたことより、その後の椎体圧潰の進行には、腰仙椎前彎が維持されているか否かが影響することが分かった。
以上より、脊椎圧迫骨折に対する運動療法を実施する際には、受傷時のレントゲンを参考に腰仙椎前彎角が減少した症例に対しては、腰仙椎前彎の保持を追加した形での背筋トレーニングを考慮する必要があると考えられた。
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© 2008 東海北陸理学療法学術大会
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