東海北陸理学療法学術大会誌
第25回東海北陸理学療法学術大会
セッションID: P-48
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速度の違いよる股関節回旋トレーニングの即時効果について
*曽田 直樹池戸 康代
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抄録

【目的】日常生活においては最大筋力を発揮する場面は少なく、その場で素早く力を発揮する能力が求められる。最大筋力発揮を伴う従来の筋力トレー二ングでは、筋力の増強には効果はあるが、運動機能や日常生活活動への改善につながらないことがある。近年、ストレッチショートニングサイクル(SSC)や筋パワートレーニングが従来の筋力トレーニングより日常生活活動や運動機能の改善に効果的であると報告されている。そこで本研究では、股関節内外旋に対し、速度の違いによる運動を実施しその影響を明らかにすることを目的とした。 【対象】対象は健常成人女性9名とした。被験者には、研究の趣旨を説明し同意を得た。 【方法】バイオデックス社のシステム3を用いて低速(30deg/s)、高速(150deg/s)2種類の等速度運動を設定し、その運動前後のバランス能力および下肢アライメントを測定した。各運動は、股関節内旋外旋運動とし、1セット8回を3セット行った。バランス能力として、重心動揺計にて10秒間の片脚立位時の総軌跡長(以下LNG)を測定した。下肢アライメントの評価では、上前腸骨棘、膝蓋骨中央、足関節中央にマーカーを貼付し、膝関節屈曲30度での片脚立位膝関節外反角度を測定した。なお外反角度は、前額面上での上前腸骨棘と膝関節中央と足関節中央がなす角度を外反角度と定義し、デジタルカメラにて撮影し測定を行った。運動前後の各項目の比較には対応のあるt検定を用い、有意水準は5%未満とした。 【結果と考察】LNGでは、高速の運動において有意な減少が認められた(P=0.01)。しかし、低速の運動においては、有意な差は認められなかった。また下肢の外反アライメントでは、両速度において有意な差は認められなかった。本研究の結果より速度の速い運動がLNGの減少に影響を及ぼすことが示唆された。

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© 2009 東海北陸理学療法学術大会
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