抄録
サンペドロ系のイチジク品種‘ビオレー・ドーフィン(syn. Dauphine)’について,剪定法の違いが果実生産に及ぼす影響を3年間比較した.比較したのは,収穫を終えた夏(7月)の実施を前提とする剪定法で,前年秋~当年にかけて生長している結果枝を短く切り戻す「切返し剪定」,および,前年春~当年にかけて生長している結果枝を,結果枝候補(当年春から確保)の発生位置で切除する「間引き剪定」である.調査の結果,前者の方が多くの幼果が越冬する事例が多かったものの,その後の落果も多く,結果として成熟果の数には剪定法による差はなかった.成熟期や果実の品質(着色歩合,果肉糖度)にも差はなかったが,一果重は後者が明らかに優った.従って,切返し剪定よりも間引き剪定の方が,大果を得やすい点で本品種の生産上有利と評価された.