皮膚は生体を被うだけではなく、体温の調節、呼吸、感覚、免疫などの様々な機能を有する重要な臓器である。従って、皮膚の機能が失われてしまえば、生体全体に影響を生じ、我々は生きて行くことができない。最近、ヒアルロン酸は皮膚の発生、増殖、分化、再生、抗加齢などを制御し、皮膚のホメオスタシスを維持する上で非常に重要であることが証明された。その一方で、皮膚の悪性腫瘍の増殖や転移を促進する危険因子であることも明らかになった。従って、皮膚のヒアルロン酸の発現を自由自在に制御できれば、皮膚のみならず全身の健康を維持することができると考えられる。本総説では、皮膚におけるヒアルロン酸と皮膚疾患・病態との関連を中心に紹介し、ヒアルロン酸の重要性について言及する。