Trends in Glycoscience and Glycotechnology
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ミニレビュー
N- 型およびO- 型糖鎖がAβ ペプチド形成と蓄積に与える影響
Shinobu Kitazume
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2011 年 23 巻 132 号 p. 161-167

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抄録

アミロイドβ(Aβ)の脳内蓄積は、アルツハイマー病と深い関わりがある。Aβ は、β アミロイド前駆体タンパク質APP からβ およびγセクレターゼと呼ばれるプロテアーゼによって切断されて生じる。APP やAPP の切断酵素(セクレターゼ)は膜結合型の糖タンパク質である。最近の研究では、特異的な糖鎖構造が欠如すると機能性糖タンパク質の安定性が低下する例や、構造変化、局在変化などを引き起こして機能不全にいたる例が複数報告されている。実際、特定の糖鎖構造変化はAPP やセクレターゼの機能に影響を与え、Aβ 形成量が変化するようである。この総説では、まずAPP の発現、代謝経路、翻訳後修飾について触れた後に、糖鎖変化がAβ 産生、蓄積、クリアランスに与える影響について解析した、我々の研究も含めた最近の報告を紹介したい。

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© 2011 FCCA(Forum: Carbohydrates Coming of Age)
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