Trends in Glycoscience and Glycotechnology
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リポソームの凍結保存及び凍結乾燥過程における糖の保護機構
Koichiro MiyajimaKeiko Tanaka
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1992 年 4 巻 19 号 p. 457-463

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抄録

リポソームの凍結融解、および凍結乾燥に及ぼす糖の保護機構に関して、内水相マーカーの漏出、ラマンおよびNMR分光、熱分析 (DSC) を用いて研究した。凍結状態ではリポソームの表面は濃厚な糖水溶液またはガラスで覆われ、氷晶からの機械的破壊やリポソームの融合から保護される。単糖、二糖、そして三糖は、単糖ユニットあたり同じような保護作用を示した。乾燥過程では、レシチンの極性基であるリン酸基に水和した水分子は糖分子によって置換され、リポソームは液晶状態を保たれる。液晶状態の脂質膜は再水和過程で強い安定性を示した。二糖と凍結乾燥されたこのリポソームは、リン酸基と適当な分子の大きさを持つ糖分子との水素結合が重要であることを示している。

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© FCCA, Forum; Carbohydrates Coming of Age
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