細胞外マトリックスは、巨大分子間の静的および動的な相互作用のネットワークにより成り立っている。この相互作用によって結合組織は特異的な生物機械的性質を持ち、細胞の活性を調節している。この論文で論じられているマトリックス糖タンパク質であるフィブロモジュリンは、多数の結合組織で見つかっており、そこでは主として線維性コラーゲンに結合している。39kDaのコアタンパク質のアミノ酸配列は、他のコラーゲン結合性プロテオグリカンであるデコリンやルミカンと広範な相同性を示す。フィブロモジュリンは5ケ所のN-結合グリコシル化部位を持っている。これらの部位は発生の過程で調節を受けながら、ポリラクトサミン鎖で置換される。このポリラクトサミン鎖は様々な構造と硫酸化のパターンを示す。フィブロモジュリンの構造上の特徴を議論し、これら間質性の小型プロテオグリカンの仲間が、今まで想像されていたようなコラーゲン細線維形成の修飾という役割を越えて、他の機能を持つことを示した。