Trends in Glycoscience and Glycotechnology
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ロイシンを多く含んだ小型プロテオグリカン
機能研究への幕開け
L.J. SandellT.M. Hering九島 洋一
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1993 年 5 巻 21 号 p. 13-22

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抄録

「小型のプロテオグリカン」として知られてきたプロテオグリカン群 (PGs) が、一つのファミリーを作っていることが最近明らかになってきた。このファミリーはデコリン、バイグリカン、フィブロモデュリン、ルミカンによって構成されている。これらはすべてコアタンパク質の大きさが約40kDaの、プロテオグリカンとしては小さなものであり、ロイシンを多く含んだ繰り返し構造と、ごく小数のグリコサミノグリカン鎖を持っている。これらのうちで最もよく調べられているのはデコリンとバイグリカンである。in vivo での実験から、小型のプロテオグリカンが細胞の移動、分化、増殖、接着に関与していることが示されており、また、これらのものが増殖因子やさまざまなコラーゲンやファイブロネクチンと結合することが明らかにされている。本総説では小型プロテオグリカンのモデルとしてデコリンを例にとって、合成、機能および遺伝子発現の制御について考察する。

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© FCCA, Forum; Carbohydrates Coming of Age
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