1α, 25ジヒドロキシビタミンD3による分化誘導時に活性化されるスフィンゴミエリンサイクルが、ヒト骨髄性白血病HL-60細胞において発見された。一方、スフィンゴミエリンの水解産物であるセラミドは、脂質セカンドメッセンジャーとして増殖、分化、アポトーシスなどの細胞機能において重要な役割を果たしている。セラミドを介した情報伝達系の上流におけるキーエンザイムとして、未知のマグネシウム非依存性、中性、細胞質性スフィンゴミエリナーゼが同定された。細胞透過性のセラミドを使用し、セラミドを介した情報伝達系の下流におけるタンパク質リン酸化と脱リン酸化および核内転写因子について検討された。ここでは、まったく新しい脂質を介した情報伝達系の意義について言及したい。