Trends in Glycoscience and Glycotechnology
Online ISSN : 1883-2113
Print ISSN : 0915-7352
ISSN-L : 0915-7352
コレクチンーコラーゲン様領域を持つ哺乳類レクチン
K. MiyamuraK.B.M. ReidU. Holmskov荒田 洋一郎
著者情報
ジャーナル フリー

1994 年 6 巻 30 号 p. 286-309

詳細
抄録
コレクチンとはコラーゲン様領域をもち、血漿及び肺サーファクタントに見出される可溶性レクチンのことである。コレクチンはこれまで哺乳類及び鳥類で解析されており、このグループには3種類の血漿タンパク質 (マンナン結合タンパク質、ウシコングルチニン、ウシコレクチン-43) と2種類の肺サーファクタントタンパク質 (SP-AとSP-D) が含まれる。これらは互いによく似たサブユニット構造と3次元構造を持つ。コラーゲン様三重らせん構造を持つ茎部分とそれに続く球状頭部を持つという点で補体成分C1qとも似ている。コレクチンの球状頭部は病原体上の糖構造を認識し、エフェクターの機能が発揮されたり、コラーゲン様茎部分を介して細胞への結合が起こったりする。コレクチンは抗体に依存せずに病原体の糖鎖を認識するので、幼児や抗体産生不能者の先天免疫に重要な役割を果たしているかもしれない。
著者関連情報
© FCCA, Forum; Carbohydrates Coming of Age
前の記事 次の記事
feedback
Top