抄録
ゴルジ体は、新しく合成されたタンパク質を細胞表層に輸送する細胞外輸送や分泌の経路上にある、主なオルガネラの一つである。ゴルジを通るタンパク質は、ゴルジのそれぞれの副区画にある酵素により厳密に定められた一連のグリコシル化修飾を受け、ゴルジを出る際に最終的な目的地別に仕分けされる。それゆえ、ゴルジ内タンパク質は激しい表層への輸送に接しながらも、自分の位置を保てなければならない。最近、タンパク質をゴルジのそれぞれの区画に保持するための配列が解明され、糖転移酵素を保持する機構が、再利用タンパク質がトランスゴルジ網に蓄積される機構とは異なることが明らかになった。前者は膜貫通ドメイン内の配列によって起こり、隣接した細胞質ドメインや内腔ドメインによって促進される。一方、後者は急速なエンドサイトーシスやバソラテラルへのターゲッティングシグナルに見られる、チロシンを含んだ細胞質側の配列によって起こる。