時間学研究
Online ISSN : 2424-208X
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時間体験の異常に関する臨床心理学的考察
森田 麻登
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2022 年 13 巻 p. 91-105

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抄録
本研究の目的は、健常者とは異なった感覚世界を持つといわれている人々の時間認知について先行研究をレビューし、病理や異常体験と時間認知の歪みについて考察することであった。その結果、精神疾患、発達障害、脳機能障害患者などの疾患を持つ人々は、多様な時間認知の障害を生じることが確認された。また、レビューの結果、時間認知の障害は、精神病理における中核的な症状の一つであることが示唆され、臨床においては、来談者の時間体験の異常を把握することにより、主観的な世界を理解する手がかりになる可能性が示唆された。
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© 2022 日本時間学会
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