抄録
無人航空機は新たな技術として社会実装が進む一方,飛行中の運航リスクと,現場における労働安全リスクを統合的に評価する手法が十分に整理されていない。本研究では,飛行許可申請に用いられる運航リスク評価手法(SORAガイドライン)と,労働安全分野で活用されてきたリスクアセスメント手法(機械包括安全指針)を比較し,適用範囲および実施項目の差異を明らかにする。その結果,両手法は対象とするリスク領域が異なり,一方のみではリスクの見落としが生じる可能性があることを示した。これを踏まえ,SORAガイドラインを先行実施し,その結果を機械包括安全指針に段階的に反映する統合的リスクアセスメントフレームワークを提案する。本フレームワークを用いることで,無人航空機運用における安全管理実務の効率化が期待される。