東北森林科学会誌
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論文
白神山地地域における来訪者の特徴
—暗門の滝,白神岳,二ツ森における1996~1997年と2001~2002年の来訪者を対象に—
大石 康彦
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2005 年 10 巻 1 号 p. 8-16

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抄録
白神山地世界遺産地域においては,世界遺産としての価値を維持していくために自然環境の保全が重要な課題であり,来訪者による環境への影響が問題である。したがって,環境保全のために効果的な自然環境と来訪者の管理方法を開発することが必要である。本研究は,そのために必要な来訪者の特徴とその要因を明らかにすることを目的とした。1996〜1997年と2001〜2002年に暗門の滝,白神岳,二ッ森で来訪者を対象とする来訪者数カウント調査とアンケート調査を行った結果,以下のことが明らかになった。①3箇所における来訪者数は1日当たり292〜1,269人であり,その8割を暗門の滝への来訪者が占めた。②来訪者は中高年の家族連れが多かった。③来訪者の居住地と日常の森林訪問の程度が来訪場所や来訪季節に関係していた。④来訪者は居住地や森林訪問の頻度によって分類できた。⑤この5年間に,来訪者はより遠方の居住者が世界遺産を目的に来訪する方向に変化し,来訪場所ごとの特徴が薄れた。
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© 2005 東北森林科学会
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