Japanese Journal of Tropical Medicine and Hygiene
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実験的各種寄生虫感染に於いて出現する抗胸腺細胞自己抗体に関して
小早川 隆敏川端 真人朝日 博子熊田 三由保阪 幸男
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1983 年 11 巻 3-4 号 p. 235-241

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抄録
Schistosoma japonicum, Schistosoma mansoni, Echinococcus multilocularis, Nematospiroides dubius, Trichinella spiralis, Trichuris muris, Hymenolepsis nana, Toxoplasma gondii, Plasmodium vinckei, Plasmodium berghei, Pla5modium chabaudiを実験的に感染させたマウス血清中に於ける補体依存性の抗胸腺細胞自己抗体の出現を, C57BL/6Jマウスの胸腺細胞を標的としたtrypan blue dye exclusion testで検索した。上記寄生虫感染は, 種及び感染個体により胸腺細胞殺滅効果に差はみられたが, 何れの種も同自己抗体の産生を誘導した。力価は, Schistosoma japonicum, Schistosoma mansoni感染血清に於いて, 最高16倍であった。反応至適温度は, 概して4℃であったが, 37℃の方がより強い殺滅効果を示す例もあり, 冷式型のみでなく, 温式型の抗体も関与するものと考えられる。なお同自己抗体は, マウス胸腺細胞で完全に吸収される。
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