抄録
ネズミマラリア原虫 (Plasmodium yoelii nigeriensis N67系) の感染したマウスにクロロキンを投与し, その12時間後に蚊 (Anopheles stephensi BEECH系) に吸血させる。7日後に解剖し, 蚊の中腸壁外のオーシスト数を数えることによって原虫の感染性を調べた。
クロロキン100mg/kgを投与した場合, マウス血中にガメトサイトが観察されなくなった。しかし, その血液を吸血した蚊には, クロロキンを与えていない血液を吸血した対照蚊とほぼ同等の多数のオーシストが数えられた。
クロロキン1回投与による, 原虫の蚊に対する感染性への影響は見られなかった。また赤血球10,000中にガメトサイト0の場合でも蚊への伝播が起こり得ることを示した。