2021 年 29 巻 p. 71-80
本研究では、小学5年生への体験的(ロールプレイ)な内容を含む授業実践(「いじめの避難訓練」)に焦点を当て、援助要請に関係する働きかけが児童の被援助志向性、援助要請行動にどのような影響を与えたかについて、実験群と統制群の比較検討から明らかにしていくことを目的とした。調査は、①5年生の2クラス(実験群と統制群)を用意し、事前調査(Pretest)、事後調査(Posttest)そして、3週間程度の期間をあけた調査(Follow-up)から実施された。その結果、授業実践を行った実験群において、被援助志向性、援助要請行動の向上が確認でき、その効果は3週間後も持続させていることが明らかになった。