本稿は、児童会・生徒会選挙に着目し、全国の学校教育における実施状況と、成人後の若年層における主権者教育の知識定着という教育効果の有無を検証することを目的としている。
分析の結果、⑴大半の中学校では投票選挙が行われる一方で、小学校と高校での実施状況はおよそ半々であり、個人の学校生活を通じた選挙経験の蓄積にはばらつきがあること、⑵学校生活での選挙経験は成人後の主権者教育の知識定着を強めていることが明らかになった。これらの知見は、全国で実践されてきた児童会・生徒会選挙の教育効果を示唆している。
本稿は、特別活動の社会的意義に関するエビデンスの提示を目指した定量的実証研究として、萌芽的な意義をもつものである。
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