2024 年 32 巻 p. 55-63
係やクラブ、委員会など、特別活動における活動集団の中には、特別活動の特質上、子どもの希望に可能な限り応じることで、子どもの男女比率に偏りが見られることがある。ジェンダーの観点から捉えると、この男女比率の偏りには、ジェンダー・ステレオタイプを形成/強化するという側面と、集団の権力関係を形成するという側面を有しており、それ故に、ジェンダーにおける「隠れたカリキュラム」として特別活動が作用することを示している。本稿では特別活動がこのような問題を有していることを明らかにし、その手立てについて概案を提示することで、ジェンダーと特別活動研究における新たな視座を提供することをねらいとしている。