特殊教育学研究
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自閉症児の聴覚弁別学習に関する行動分析的検討 : 言語音と非言語音への反応傾向の分析
加藤 哲文小林 重雄
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1985 年 23 巻 3 号 p. 35-46

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抄録

5名の自閉症児の複合聴覚刺激(白色雑音及び言語音)への過剰選択性及び言語音と非言語音への選択的反応傾向を検討するために、自由オペラント事態における継時弁別学習を行った。弁別学習獲得後、複合刺激の各要素への反応傾向を測定するために、プローブセッションを導入した。その結果、3名において白色雑音への過剰選択性が示されたが、他の2名は両要素への反応傾向はほぼ同等であった。また、各対象児の発達年齢(DA)と過剰選択性の程度(過剰選択性スコア)とに高い負の相関がみられ、さらに弁別学習の基準達成に要したセッション数と過剰選択性の程度とに高い正の相関がみられた。以上より本結果は、視覚モダリティを用いた先行研究の結果を支持し、さらに弁別習得時間と過剰選択性との関連性を示唆した。

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© 1985 日本特殊教育学会
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