小学校特別支援学級児童2名の物語作文において、絵カードや物語に関連した内容を発語する口頭作文、指導者の発問「どんな気持ち?」、仲間とのペア学習と板書を行い、文字作文における心的状態語の記述に及ぼす効果を検討した。フェイズ1のBL1では参加児が個別に取り組む文字作文を進める手続きを形成した。フェイズ2のBL2では指導者の援助を遅らせたり減じたりした。フェイズ3の介入1では口頭作文を導入し、フェイズ4の介入2では口頭作文に加えて指導者の発問「どんな気持ち?」を導入した。フェイズ6の介入3ではペアによる口頭作文と心的状態語の板書を導入した。介入の結果、フェイズ3、4、6において、2名の参加児で文字作文における心的状態語の記述が認められ、そのうち1名では介入3のペアによる口頭作文と板書で記述数が増加した。文字作文を書く直前に行う口頭作文、口頭作文での心的状態語の発語への指導者の言語称賛、登場人物の表情や状況に注目させる指導者の指さしが有効であることを示唆した。
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