福祉や医療の支援が必要な高齢受刑者が増える中で、支援を希望しない高齢受刑者の存在が問題となっている。刑務所では高齢受刑者等を対象に福祉制度の理解を促す社会復帰支援指導が行われているものの、その指導が高齢受刑者の援助要請にどのような影響を及ぼしているのかは明らかではない。本研究は、援助要請に対して消極的な高齢受刑者が支援を求めることをどのように捉え、それが社会復帰支援指導を受けることでどのように変化するのか検討することを目的とする。高齢男性受刑者8名を指導受講群と非受講群に等分し、指導実施前時点と実施後時点で半構造化面接を実施した。その結果、社会や他者への信頼と期待が援助要請の基盤にあり、社会復帰支援指導を受講することで出所後も助けてもらえるだろうという期待が高まる可能性が示された。今後は、社会復帰支援指導を充実化することで実際の援助要請行動を増やすことができるのか検討する必要がある。
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