1987 年 25 巻 1 号 p. 43-48
自閉児への治療教育的アプローチが大きな話題になったのは1960年代に入ってからの事であった。この時期様々なアプローチが試みられたが、その中で大きな成果をあげたのは、行動療法的アプローチ(主として行動変容法-behavior modification)であった。行動変容法は、児童の行動レパートリーを直接ターゲットとするため、自閉児の行動上の問題を軽減するのに有効であったと言える。しかし、1970年代の終わりから、従来行われてきた方法論に疑問が提出されるようになり、見直しがなされると同時に、新たな展開が始まろうとしている。