特殊教育学研究
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小学校における通級制学級と固定制学級での障害児理解に関する実践研究
吉岡 昭正
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1992 年 30 巻 3 号 p. 101-107

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抄録

通級制指導の特殊学級では、その在籍児の通常学級での受け入れが良いという話を担任から聞くことがある。しかし、それは常にエピソードとして話されるだけで、果たして本当にそうであるかを示すデータがなかった。また、固定制指導の特殊学級の児童が、通常学級に交流学習で行った際に、非常に行動が消極的になるのを耳にする。そこで、通常学級で過ごす時間とその適応度には関係があるのかを、その時間が長い通級制の情緒学級と固定制の精神薄弱学級の児童について調べてみた。方法としては交流学習が行なわれている通常学級の健常児に、通ってくる障害児について知っていることを手紙に書かせるというものとした。結果は通常学級に長い間いる児童ほど、その障害の特質までに触れている記述が多く、きめ細かい配慮のなされた交流学習が行なわれれば、障害児に対する理解が深まるということが確認された。

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© 1992 日本特殊教育学会
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