抄録
養護学校教育の義務化以降、学校現場においては、子供の障害の重度化・多様化に対応してより子供一人一人を生かす指導の充実を目指した取り組みが求められている。そのためには、その具体的な場である授業を分析・改善し、質的向上を図ることが重要である。本研究では、精神薄弱養護学校における代表的な指導の形態である生活単元学習の授業を取り上げ、その授業過程や教師の教授行動の特徴をとらえるとともに授業分析方法の有効性もあわせて検討することを目的とした。その結果、生活単元学習の授業での教授行動や学習行動の頻度や時間的割合などの出現傾向が明らかになった。さらに、教授行動の特徴的な系列やその内容・方法を析出することができた。また、カテゴリー分析及び言語・動作記録の内容分析を統合した授業分析方法の有効性が認められた。