特殊教育学研究
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吃音者の自己認知について : 自己評定による重症度別、年齢差による検討
崎原 秀樹
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1997 年 34 巻 4 号 p. 47-53

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抄録

吃音者がどのように自己を捉えているかについて調査を行い、重症度(自己評定)と年齢の要因により検討した。80対のSD項目からなる質問文(水町,1982,1991:一部改訂)を使用し、35名の吃音者に5件法により評定を求めた。その結果、(1)自分の吃音が軽度と思う吃音者は、重いと思う者に比べて、28項目で「社交的かつ積極的であり、こだわりが少なく、それほど神経質でない」と思っていることが示唆された。(2)年齢が高くなると7項目では「社交的かつ積極的である」と思っている傾向が認められた。他方、年齢が若い方が「清潔好きで、友人が多い」と思っていることが示唆された。(3)治療的関わりをする際の手がかりとして、これらの吃音者の自己の捉え方の結果を理解する時の配慮について考察した。

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© 1997 日本特殊教育学会
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