特殊教育学研究
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精神遅滞児における空間的位置記憶の自動的符号化に関する検討 : 記憶過程と個体間差要因について
佐藤 克敏前川 久男
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1998 年 35 巻 4 号 p. 1-11

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抄録

精神遅滞児の空間的位置情報の自動的符号化と個人差要因について、項目再認記憶成績と位置再生記憶成績の関連性から検討された。実験1では、偶発学習の項目再認記憶成績と位置再生記憶成績が検討された。その結果、自符号化は項目情報の記憶痕跡と関連性が高いことが示唆された。また、位置記憶成績の個体間差要因には、項目認記憶が低いために位置再生記憶成績が低い被験者と項目再認記憶に比べ特異的に位置再生記憶成績が低い被験者に分類された。実験2では、意図学習の項目再認記憶成績と位置再生記憶成績が検討された。その結果、位置情報が意識的に符号化された場合に、実験1において位置再生記憶成績が低かった被験者の記憶成績が改善される者と改善されない者に分類されることが明らかとなった。本結果は、自動的符号化と意識的符号化において使用された処理資源と注意容量の観点から考察された。

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© 1998 日本特殊教育学会
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