1999 年 37 巻 2 号 p. 41-49
動作法のワークショップが知的障害者施設職員の態度に及ぼす効果を質問紙を用いて検討した。対象者は、54名の職員である。質問紙は、(1)快適な心身の体験、(2)動作法の援助スキル、(3)自分の身体的な疲労、(4)自分の精神的な疲労、(5)利用者の疲労の認知、(6)自分の疲労への対処、(7)利用者の疲労への対処、(8)利用者への援助的態度のカテゴリーからなる。調査は、ワークショップの前後で実施された。その結果、ほとんどの項目において、前後の得点の間に有意差が見られた。カテゴリー間の相関関係の検討と重回帰分析の結果、"快適な心身の体験"は、職員の心身の疲労と負の関係を示す一方、利用者の疲労の認知や利用者への援助的態度と正の関係を示した。更に、"快適な心身の体験"の得点に基づいて、対象者を高評価群と中評価群、低評価群に分けてカテゴリーの得点を比較した。その結果、高評価群は利用者への援助的態度において高い得点を示すことが見いだされた。