特殊教育学研究
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東京都立光明養護学校における「言語の克服指導」から「言語治療」への展開
―1958年度から1962年度にかけての実践に着目して―
丹野 傑史安藤 隆男
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2011 年 49 巻 1 号 p. 1-10

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抄録
東京都立光明養護学校で1958年度から1962年度にかけて行われた「言語の克服指導」および「言語治療」に着目し、教育課程上の位置づけや実施者、実施内容等から、その展開過程や成果について明らかにした。「言語の克服指導」では、岡本梅や佐藤千代子が中心となり、教科指導の観点から指導を行うとともに、教科指導の前段階として機能訓練を行った。光明養護学校では、1959年度に言語治療室の設置や専門医として田口恒夫の招聘など、機能訓練を行う環境が整った。そして、機能訓練を重視するために、「言語の克服指導」から「言語治療」へと移行した。「言語治療」は田口の指導のもと、看護婦と専任教員の松本昌介による機能訓練が行われた。また、松本昌介は、教科指導の観点から、読むことに重点をおいた指導も行った。教科指導から出発し、教科指導と機能訓練を一体的にとらえて指導が行われた点が、光明養護学校の「言語治療」の特徴としてあげられた。
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© 2011 日本特殊教育学会
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