2011 年 49 巻 4 号 p. 387-394
通常学級に在籍する小学5年女児の注目機能を有するかんしゃく行動(過度に泣いたり、叫んだりする行動)を改善するために、対象児の級友が対象児を日常的に強化していく非随伴強化手続きを導入した。具体的には、級友が対象児への対応の仕方を学習し、帰りの会で対象児の1日の行動を評価した。その結果、かんしゃく行動はほとんどみられなくなり、それはフォローアップ期においても維持された。さらに、学級全体による取り組みにより、級友の問題行動に対する接し方が変容した。意図的、視認的な支援手続きを実行することにより、対象児と対象児を取り巻く級友の行動が変容されうることが示された。