2014 年 52 巻 3 号 p. 169-179
発達障害者支援センターにおいて、指導的立場の保育士(参加者)を対象に応用行動分析の研修プログラムを実施し、参加者の支援行動に加えて、参加者から指導を受ける立場の保育士(担当保育士)の支援行動と対象園児の行動に対する波及効果を検討した。担当保育士への波及効果は、適切行動に対する言語称賛に限定して効果を検討した。参加者への効果を検討するために質問紙調査を、波及効果を検討するために行動観察および質問紙調査を実施した。その結果、参加者の研修受講後に、参加者の支援行動および担当保育士の支援行動に関して、適切行動への言語称賛に関する支援が増加した。対象園児の行動では、標的行動が適切行動の場合には支援の効果が確認されたが、不適切行動の場合には支援の効果がほとんど確認されなかった。結果から適切行動への言語称賛に関して、園内への波及効果が確認され、本プログラムの地域支援プログラムとしての有効性が示された。