本研究の目的は、交流の質を規定する学校間交流の条件を解明し、交流の質が交流の効果とどのように関係するかについての考察を行うことである。筆者は知的特別支援学校と高等学校の学校間交流をビデオカメラで記録し、交流に参加した健常児10名に対して再生刺激法インタビューを行った。インタビューにおける語りの質的データ分析から、交流の質を規定する条件として《関与の可能性》《位置の近さ》《地位の対等さ》《相互性の程度》《快感情の生起》《他者理解可能性》という6カテゴリーとその下位構造を抽出した。交流の参加者の個人要因が交流の質の評価を媒介として交流の効果に影響するということ、交流の量は交流の質を保障する上で重要であるということが、考察を通して示唆された。