特殊教育学研究
Online ISSN : 2186-5132
Print ISSN : 0387-3374
ISSN-L : 0387-3374

この記事には本公開記事があります。本公開記事を参照してください。
引用する場合も本公開記事を引用してください。

知的障害児に対する既知情報を活用した系列刺激ペアリング手続きが漢字書字の獲得に及ぼす効果
石﨑 美佐子半田 健
著者情報
ジャーナル フリー 早期公開

論文ID: 22A014

この記事には本公開記事があります。
詳細
抄録

知的障害特別支援学級に在籍する児童4名を対象に、部首をもとに漢字を2分割する系列刺激ペアリング手続き(以下、SSP手続き通常条件)と児童の既知情報をもとに漢字を分割する系列刺激ペアリング手続き(以下、SSP手続き既知条件)を実施した。本研究では、2つの手続きの結果を比較し、系列刺激ペアリング手続きに関して既知情報を活用することが知的障害のある児童の漢字書字の獲得に促進的な効果を及ばすか否かについて検証した。研究デザインは、課題間多層プローブデザインを用いた。指導の結果、児童が漢字書字を獲得するまでに要したブロック数は、SSP手続き既知条件の方がSSP手続き通常条件と比べて少なかった。これは全ての対象児に共通していた。このことから、系列刺激ペアリング手続きに関して既知情報を活用することが知的障害のある児童の漢字書字の獲得に促進的な効果を及ぼすことが示唆された。

著者関連情報
feedback
Top