2021 年 102 巻 p. 93-100
本稿はコミュニケーション能力が重要視される職業に就きたいと考えている大学生に対して,コミュニケーション能力の獲得ならびにその発展を目指して行った実践報告である。コミュニケーション能力はアサーションスキルとリスニングスキルから成り立っており,その両スキルを身につけるため,スピーチを通してのやりとり,プレゼンテーションとディスカッションを通してのやりとりを行った。そのような他者とのやりとりを繰り返し,形成的評価という視点から講義で必要な知識情報を入れ,各人のリフレクションを引き出すという流れで,各参加者が自ら開発・発達に向かうという心理教育の発想に基づいた実践である。そして,そのコミュニケーション能力の向上を目指した実践内容から,コミュニケーションというパフォーマンスを教育目標分類学の観点をもって位置づけ,検討した。