抄録
本研究では, 検診等で高血糖あるいは尿糖陽性を指摘され, 病院を受診した未治療・未介入の男性35名および女性20名, 計55名 (年齢52.2±1.6歳) の耐糖能異常者について, ホームベース型食事・運動療法前後の精神健康度, 全身持久力 (VO2max), 内臓脂肪面積 (VFA), 糖・脂質代謝指標, 安静時血圧, WHO基準によるメタボリックシンドローム (MS) の有無を調査し, 精神健康度とMSとの関連性を検討した. その結果, 介入に伴うVO2max, VFA, 中性脂肪やMSの改善に精神健康度の改善が関与する可能性が示唆された. しかしながら, 介入前のMSの有無は介入後の精神健康度の改善に関与していなかった. 結論として, 実施者の精神健康度に配慮した指導の必要性と本研究で用いたプログラムの有効性が示唆された.