糖尿病
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原著
糖尿病性神経障害に対するアルドース還元酵素阻害薬 (エパルレスタット) の効果
―2群間クロスオーバー比較試験による検討―
中島 寿樹福井 道明出口 雅子田中 亨手越 久敬橋本 雅生坪内 康則長谷川 剛二中村 直登
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2005 年 48 巻 8 号 p. 601-606

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抄録
糖尿病性神経障害に対するアルドース還元酵素阻害薬 (エパルレスタット) の効果を検討した. 糖尿病性神経障害を有する2型糖尿病患者22例を対象とした. エパルレスタット投与時 (3カ月間), 非投与時のクロスオーバー比較試験により自覚症状, 神経機能検査の改善度を検討した. 対象は22例 (男13例, 女9例), 平均年齢64.0±8.5歳, 平均罹病期間13.1±9.6年, BMI 22.1±3.9 kg/m2, HbA1c 6.8±0.8%. エパルレスタットの投与により, 下肢しびれ感, 感覚異常, 冷感が有意に改善した. 振動覚は非投与時に有意に悪化した. 深部腱反射, 安静時CVR-R, 神経伝導速度には変化を認めなかった. 今回のクロスオーバー試験の結果から, 糖尿病性神経障害を有する患者にエパルレスタットを投与した場合, 自覚症状の改善は比較的短期間で認められることが示唆された.
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© 2005 一般社団法人 日本糖尿病学会
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