糖尿病
Online ISSN : 1881-588X
Print ISSN : 0021-437X
ISSN-L : 0021-437X
症例報告
Diabetic lipemiaを呈した2型糖尿病の1例
小林 恵子梅園 朋也丸山 真弓阿部 麻記子小林 貴子加藤 麻祐子宮内 雅晃山本 直之木村 守次豊田 雅夫谷亀 光則鈴木 大輔
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 50 巻 12 号 p. 849-852

詳細
抄録

症例は31歳女性,2型糖尿病と診断を受けるも放置し感染を契機に糖尿病性ケトアシドーシス(以下DKA)を発症.入院時著明な血清強乳糜を示し,ほとんどの生化学検査が測定不可能のなか,血清コレステロール(以下TC)1,260 mg/dl, 血清中性脂肪(以下TG)15,120 mg/dlと著明な高脂血症を合併し,網膜脂血症も認めるdiabetic lipemiaの状態であった.入院後インスリン補充と輸液療法にてDKAに対して治療を行うとともに,高脂血症に対してフィブラート系薬剤を併用したところ速やかにTGは改善し,急性膵炎や虚血性心疾患など致死的合併症が生じることなく退院となった.通常1型糖尿病患者に合併するdiabetic lipemiaを内因性インスリン分泌能が確認されている2型糖尿病のDKAで経験した貴重な症例と考えられた.

著者関連情報
© 2007 一般社団法人 日本糖尿病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top