糖尿病
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症例報告
糖尿病性ケトアシドーシスの治療経過中にインスリン浮腫と共に著しい徐脈をきたした1A型糖尿病の1例
鎌田 裕二市川 雷師黒坂 真矢黒川 智彦松原 まどか田中 啓司守屋 達美藤田 芳邦
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2007 年 50 巻 12 号 p. 859-863

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抄録
37歳の女性.2004年7月,近医で高血糖を指摘され,当院を受診した.随時血糖509 mg/dl, 血中ケトン体(2+)および代謝性アシドーシスを認め,糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)と診断した.DKAの回復後,インスリン強化療法を開始したが,その3日後から浮腫が出現し,体重は1週間で49 kgから55 kgに増加した.尿中Na排泄量は0.5 g/日未満であった.同時期より徐脈(脈拍46/分)が出現し,血清アドレナリン,ノルアドレナリンは各々5 pg/ml未満,68 pg/mlと低値であった.塩分制限食とフロセミド経口投与(20 mg/日)により,尿中Na排泄量は増加し,浮腫は消退した.同時に血清カテコラミンは正常化し,徐脈も改善した.本症例の浮腫はインスリン浮腫と診断した.その主な発現機序はインスリンによるナトリウム再吸収亢進によるものと考えられる.本症例では原因不明の著しい徐脈があり,インスリン浮腫との関連が疑われるが,因果関係についてさらなる検討が必要である.
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© 2007 一般社団法人 日本糖尿病学会
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