糖尿病
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原著
2型糖尿病患者の内因性インスリン分泌能とインスリン感受性を同時評価可能なナテグリニド負荷試験の有用性に関する臨床的検討
大村 昌夫藤林 和俊佐久間 伸子望月 和子荒木 理絵石田 早登美齊藤 寿一
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2008 年 51 巻 5 号 p. 403-410

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抄録
短時間作用型インスリン(In)分泌促進薬であるナテグリニド(NG)のスルホニルウレア受容体(SUR)を介した内因性In分泌能(NGISA)と,内因性Inに対するIn感受性(IS)を同時に評価するNG負荷試験を考案し,2型糖尿病患者50例で検討した.NG 60 mg投与60分後のIn値(IRI60)は食事負荷2時間後の血中CPRと,IRI60とNG 60 mg投与前と投与後60分の血糖値で算出されるNG指数(NGI60)はIn負荷試験のブドウ糖消失率と良好な正の相関が認められた.ROC解析によりIRI60<7.8 μU/mlで血糖コントロールでのIn治療の必要性が,NGI60<1.0 0/000 min-1 μU-1でインスリン抵抗性改善薬の適応が判定可能と判明した.したがってNG投与前後2回の採血でNGISAとISを簡便に同時測定可能な本試験は,2型糖尿病の治療法選択上有用な情報を提供すると考えられた.
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© 2008 一般社団法人 日本糖尿病学会
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