糖尿病
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原著
テストミールAを用いたミグリトールとボグリボースの食後高血糖抑制効果の比較検討
内田 大学中村 晋山根 天道大西 俊一郎鈴木 佐和子龍野 一郎
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2008 年 51 巻 5 号 p. 411-418

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抄録
従来からわが国ではアカルボースとボグリボースの2種類のα-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI)が用いられていたが,新しくミグリトールが臨床使用可能となった.一方,食後高血糖と食後高脂血症が共に心血管病合併に強く関与することが明らかとなってきたことから,これらを同時に評価できるような食事負荷試験食:テストミールAが開発された.そこで今回,2型糖尿病患者20名を対象にして,テストミールA負荷後の血糖・インスリンに対するミグリトールとボグリボースの効果を比較検討した.ミグリトールはボグリボースに比べて食後30分と60分の早期の血糖上昇をより強く抑制した.食後0分から120分までの血中インスリン変動の曲線下面積はミグリトールの方がボグリボースよりも有意に小さかった.結論として,ミグリトールはボグリボースに比べて食後早期の高血糖をより強く抑制すること,またその結果としてインスリン分泌をより強く抑制することが認められた.
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© 2008 一般社団法人 日本糖尿病学会
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