糖尿病
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症例報告
Metforminで血糖,インスリン抵抗性が改善したWerner症候群の1例
三崎 麻子鈴木 進山崎 俊朗手塚 崇文小川 智子
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2008 年 51 巻 7 号 p. 635-638

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抄録
患者は47歳の女性で,31歳時鼻腔悪性腫瘍の手術の際に,Werner症候群と臨床診断され,同時に糖尿病も指摘され入院中投薬を受けるも,以後放置していた.42歳時に再び高血糖を指摘され当院へ入院した.入院時の検査では空腹時インスリン値(F-IRI) 11.1 μU/ml, 尿中Cペプタイド(U-CPR) 142 μg/日と高インスリン血症を認め,インスリン抵抗性の存在が示唆された.1,360 kcal/日の食事療法とmetformin 500 mg/日で良好なコントロールが得られ退院となったが,43歳時に左アキレス腱部に難治性の下腿潰瘍を発症した.下腿潰瘍発症後はインスリン治療を開始したが,それまでの約1年間血糖値はmetformin単独で良好にコントロールされた.metforminで血糖コントロールが可能であったWerner症候群の報告は少なく,興味ある症例と思われたため報告する.
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© 2008 一般社団法人 日本糖尿病学会
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