糖尿病
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症例報告
眼窩尖端部症候群に至る副鼻腔侵襲型アスペルギルス症を来した2型糖尿病の1例
澁谷 高志加納 克徳諏訪 哲也佐々木 昭彦川地 慎一廣田 卓男伏見 宣俊浅井 雅幸堀川 幸男武田 純
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2009 年 52 巻 10 号 p. 855-858

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抄録

症例は70歳,男性.約10年来,2型糖尿病の治療を受けていたが,重度の左側頭部痛が1カ月以上続き,血糖コントロールは悪化していた.副鼻腔炎の診断で手術予定とされ,インスリンにて術前血糖コントロール行うも高血糖が続いていた.経過中,突然,左眼視力低下,眼球運動低下を来し,耳鼻咽喉科にて緊急手術を施行,左蝶形骨洞よりアスペルギルスが証明され,副鼻腔侵襲型アスペルギルス症および眼窩尖端部症候群と診断した.その後,血糖コントロールを行いながらボリコナゾールを投与,視力は回復しなかったが,他の中枢神経症状なく経過している.予後不良とされる本症では貴重な症例と考え,報告する.

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© 2009 一般社団法人 日本糖尿病学会
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